Once upon a time

Picture Perfect

"Picture Perfectなツリーにしよう!"

そう言って、夫が選んだ私たちの初めてのクリスマスツリーは、私が思っていたよりももっと大きなものでした。 それでもそんなに高価なものではなかったのですが、まだまだお金に余裕のないのがわかっている私はちょっと躊躇しました。
この国でのクリスマスといえば、信仰心が希薄になっている今日でも、まだまだ多くの人にとって、深い意味合いを持つ大切な行事のひとつだと言えると思います。 そして、そのクリスマスのシンボルとも言えるツリーの明かりには、その人持つたくさんの過去とともに、これもまた奥深いさまざまな思いが見え隠れします。

”Picture Perfect”。 

絵に描いたような…とでも訳すのでしょうか。
心に思い描いた情景と完璧にマッチした状況のこともこう呼べると思います。
「絵に描いたようなツリー」といえば、インテリア雑誌で見るようなツリーを思い描く人もいるだろうし、TVドラマの家族が仲良く飾り付けするツリーを思い浮べる人だっているでしょう。 
情景を思い浮かべる人間のそれまでの半生や、その中で培われた価値観でどうとでも変化する「絵」に現実の自分が少しでも近づけるようにと、人はがんばるのかもしれません。
そして当然のことながら、私の中に描かれたツリーと、夫の頭の中にあるツリーは全く別なものでした。


その年の12月に初めて届いた祖母からのプレゼントを開けると、中からは日本の祖母の手作りのキルト仕立てのオーナメントがたくさん出てきました。 祖母が、新しくできた家族と初めて迎えるクリスマスの為にと作ってくれたものでした。
歓声を上げる私の隣で夫の表情は少し複雑だったことに、喜んでいた私は気にも留めていませんでした。
祖母のオーナメントはクリスマスカラーの布製のカントリー調。  
夫の思い描くツリーはアメリカのもっと伝統的な金銀の光物が主体で、ツリーと一緒に買ったオーナメントもその手のものばかりだったのです。 
普段の生活ではそれほど自己主張が強いわけでなくあまり細かいことに構わない夫なので、私にはその執着心がとても意外に思えたのですが、夫の暴走(?)は留まることはなく、オーナメントを2人で飾り付けている時も、私の吊るした場所が気に入らないとさりげなく付け替えたり、祖母のオーナメントを吊るすことに積極的でなかったり、小さなことですがだんだん嫌気がさしてきました。 

飾りつけもそろそろ終わという時、2歩ほど下がってツリーを見つめていた夫はやっぱり何か気に入らないのか、せっかく吊るしたオーナメントをどんどん取り外しはじめました。 いい加減うんざりした私が文句を言っても、夫は一向に作業の手を休めることはなく、とうとう私が怒って、楽しいはずのツリーを飾る作業を途中で放棄してしまった記憶があります。
翌年は妊娠中だった私はつわりがひどくて、その翌年もその後も、理由はいくらでもありましたが結局は普段とは違う夫の執拗さに付き合うのが面倒だったからか、いつの間にかツリーの飾り付けはすっかり夫の仕事になっていました。

長女がツリーの飾り付けを楽しめるくらいの年齢になっても、夫のクリスマスツリーへのこだわりがそれほど和らぐことはありませんでした。 やがて、子供達の間でもパパと一緒に過ごせるクリスマスにはツリーを飾るのはパパの仕事という考えがだんだん定着してきた頃でした。 クリスマスを初めて一緒に過ごすために、家族でカリフォルニアの夫の実家へ出向きました。

夜も更け子供達も寝てしまって、久しぶりに顔を合わす夫の兄弟と話していたとき、義兄姉が幼い頃の話をはじめました。 夫は自分の子供時代のことを「覚えてない」と言ってあまり話したことがなかったので、私にとってはどれも初めて聞く話でした。 

なぜだかあの頃はママに嫌われてたもんね。
頑固だからよ~ アンタは昔から。


あんなことがあった。 こんなこともあった。

無口な夫に代わって義兄姉が冗談交じりにした話は、暴露話や兄弟で継母を出し抜いた面白おかしい話までいろいろでした。 様子からそれが皆の中ではもう過ぎ去った出来事でそれなりに終結してしまっている話だということは私にもわかりましたが、そんな笑い話の数々が実は夫の幼少時代の惨めで悲しい思い出に繋がるものが多いことに気づいたとき、夫と私の{Picture Perfect}がまるでかみ合わない理由がやっと少しわかったような気がして、正直少しショックでした。




去年のクリスマスのすぐ後に、目をつけていた新しいツリーを70%オフで買いました。 新婚の時以来ずっと活躍してくれたツリーは寿命がきて、ナイロンの葉っぱがぱらぱらと落ちてはげてきていたからです。 古いツリーはそのままお正月まで飾った後捨てるつもりだったのですが、ふとした思い付きで捨てずに取っておくことにしました。 

そして今年。 クリスマスに予定されていた長期出張がキャンセルになってからというもの、夫は感謝祭前から新しいツリーをどこに置くか、いろいろ考えをめぐらせていました。  

窓際にかざろうか。 暖炉の傍は奥まりすぎてるからね。  

夫がツリーと家の外観の飾り付けに専念しているあいだ、私は長女と13年物のハゲたツリーをガレージから引っ張り出してきて、皆がくつろぐソファのある部屋の暖炉の傍で組み立てました。  夫には不評だけど私のお気に入りの色つきライトをぐるぐる巻きつけてから、もう増えることはなくなってしまった祖母のオーナメントも飾りました。 子供達も好き勝手に思い思いの飾りを吊るしました。 
プレゼント交換でもらった粘土細工のや、お菓子のオマケについてきディズニーのもの、学校で作った画用紙のヤツや、気に入って衝動買いしたオーナメント。  
kaoさんのアイディアを借りて、ぬいぐるみも枝に乗せてみました。 
好き勝手しすぎて、片側だけ重くなったツリーが倒れそうになっても壊れるような飾りもないので気楽です。 大笑いしながらやり直しました。

やっと飾り終わった頃、外で夫が呼ぶ声がして皆で出て行くと、闇の中に夫が一日がかりで飾ったライトがパッと灯りました。 そして、玄関を入るとこれも夫ががんばって飾ったクリスマスツリーがキラキラ瞬いていました。

ぅわーー! 綺麗だね~  パパ、こっちも見て。 
できたよ! ママにも手伝ってもらったけど、途中で倒れちゃったんだよ! 笑
明日ね、ポップコーンの飾りも作るんだ♪

綺麗だねー 綺麗でしょー




ひとつの家に、ひとつの家庭に2つのツリーは必要ないかもしれない。 
光るツリーの灯の中に、夫が見ているものはいったい何なのか。

もう見つかることのない「完璧なクリスマス」を未だに探し続けているのかもしれません。 
ツリーのライトに照らし出される子供達の瞳の奥にだって、またそれぞれのPicture Perfectなツリーが映っているのでしょう。
30年前の幼かった男の子を抱きしめることができないのはすごく残念ですが、今が幸せならそれでいいのかもと思いました。



 





今年の我が家には、クリスマス・ツリーは2本。


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2本のツリーはとても綺麗で、
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やっぱり「Picture Perfect」♪
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by 4x4T | 2005-11-29 10:38 | 独り言
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