Once upon a time

雨の日

雨の日は面倒くさい。
しとしととたまに降る雨は、見るのも、その中を傘さして歩くのも、結構好きなんだけどね。
学校のある日は、「あ~ 面倒だな~」って、つい雨つぶの落ちてくる空を睨んでしまう。

大きな住宅地の中にある私の学校は、徒歩通学の生徒も多いのです。 
日本と違って、ここは雨が少々降っていても傘も持たずに歩いている人をたくさん見かけるアメリカなのですが、こうしっかりと、まとまった量が一日中降っている時は、日本以上に過保護(?)な家庭が多いのか、傘をさして帰る子供はまばらで、その代わり学校の表玄関に車の行列ができます。 
あらかじめ渡されているナンバーを窓に貼った車に次々と子供達を乗せていく作業は、雨が降ると倍以上大変になるわけです。 人数も増えるし、普段このナンバー制度を使って車通学していない子供やその父兄は勝手がわからずオロオロ立ち往生してしまったり、今度はそれにイライラする他の父兄がいたり。。。下校時間から40分もすると誰もいなくなって、ひっそりしてしまう校内の駐車場の静けさからは想像も出来ないような喧騒が、その40分間のなかに詰め込まれているのです。

今日は運悪く私の当番の日でした。 冷たい雨にかじかむ手で傘を握り締め、もう片方の手で次々にやってくる車のドアを開けて、さよなら~!と擦り寄ってくる生徒達を一瞬抱きしめてから車に押し込める作業を黙々とこなしてきました。 自分のクラスと一緒に列に並んでやってきた息子達には図書室に行っているように言うつもりだったのですが、双子のお目付け役をやってもらおうと思っていた肝心の長男がどうしてもいうことを聞きません。 何がなんでも友達と歩いて帰ると言い張るうちに、私の方が手が離せなくなってしまって、彼は強行突破でそのまま行ってしまいました。 傘もない、寒い日なのに、、、鍵だって持ってないし、どうするのよ! ママはまだお仕事なんだから、ちゃんと弟達を見ててよ!って、シャツを後ろからむんずと掴んで引きずってでも図書室に連れて行きたい心境をかろうじておさえて、ぎぃーー(="=)と彼の背中を睨んでみましたが、同じく(="=)←こういう顔で去ってゆく息子の背中はただ小さく遠ざかっていくばかり。。。



子供の頃の雨の日の放課後を覚えていますか?
朝は雨が降ってなくても、ちゃんと傘を持ってきている子供はいつも決まっていたような気がします。 そして、傘を持ってなくても、帰りの時間までにはきっと誰かが持ってきてくれるのがわかっているので全然平気な子供もいたし、濡れて帰らなくちゃいけないのかもとずっとそわそわしている子や、傘は来ないとわかっていて、さっさと一緒の帰り道の子供で傘を持っている子と帰る約束を交わす子もいました。 
小学生の時、授業中にぼーっと見ていた窓ガラスにポツリポツリと水滴がつき始め、あっという間にザーザーと雨が降り始めると、私はよく、2階の教室の窓から見える正面玄関をじっと眺めていました。 程なくすると、雨ガッパを着た祖父がバイクで私の黄色い水玉の傘を持ってブーーンと校門を入ってくるのが見えて、嬉しくなって教壇に立つ先生に見えないようにそっと手を振ったものでした。 窓辺で手を振る私には気づかずにそのまま見えなくなる祖父に、「見てたんだよ~」って、晩ご飯の時に言ってやろう、その時の様子を想像しながら笑を堪えて噛み締めます。 いつものように、玄関の傘たてに私の傘を挿したのでしょう。 数分して、再びブーーンとエンジンの音をさせながら帰っていく祖父の姿が見えなくなるまで、授業はそっちのけでずっと窓の外を盗み見していました。 そして、放課後になると、当然のようにその傘をさし、雨の中家路につくのです。
4年生の時、1年生の時からの仲良しのりえちゃんと、クラスでは私のボーイフレンドだとウワサされていた(笑)しんちゃんと、しんちゃんの野球仲間のてらおくんと、毎日4人で帰るのが日課でした。 しんちゃんは両親が共働きの鍵っ子。 理恵ちゃんはお腹の大きいお母さんがいて、てらおくんのお家はお蕎麦屋さんでした。  天気予報が雨でも、登校時に雨じゃなければ傘なんて持ってきたことのなかった4人でしたが、雨の降る放課後にはいつも祖父が持ってきてくれた私の傘で私とりえちゃんが、出前のお兄ちゃんが持ってきたてらおくんの傘で、てらおくんとしんちゃんが帰ることができたので、不意の雨にも不自由はしませんでした。
 
ある集中豪雨のような雨が急に降った日、私の祖父はその日は配達用の軽トラで傘を届けてくれていたのですが、てらおくんの傘はいつまで待っても届くことはありませんでした。 下校の音楽が鳴って、仕方なしに雨の中を私の傘一本だけを頼りに出発したのですが、到底4人が入れるような大きな傘ではありません。 校門を出て、一つ目の角を曲がる頃にはみんなずぶ濡れになったので、私まで傘を畳んでみんなで濡れて帰ることにしました。 
恐る恐る、開いたままの傘を下げて、目を瞑ったまま空を仰ぐと顔中に雨が降り注いで、自然と笑いが込み上げてきます。

最初は怖々だったけど、濡れてしまえばどうってことのない雨でした。
歩くたびにぐっちゃぐっちゃと音を立てる靴、鼻の頭に滴るしずくを吹き飛ばしてみたり。
りえちゃんの長いポニーテイルを雑巾絞りしたりしながら。
振り返る通行人の視線もちょっと意識したりして。

大雨の中を傘を持たないで歩くのがこんなに自由で楽しいことに初めて気づいたような興奮をおぼえました。  



お蕎麦屋さんを閉めたてらおくんのご両親が、てらおくんと一緒に突然どこかに引っ越してしまったのは、そんな楽しい雨の日からすぐの出来事でした。 ずっと学校を休んでいたてらおくんの家に行って名前を呼んでみても、お蕎麦屋の看板はそのままなのに、閉まったままの雨戸が開くことはありませんでした。
5年生で別々のクラスになったしんちゃんとは、その後自然と話さなくなりました。 
別の中学に進学したりえちゃんは、彼女の結婚式には私はちょうど双子の出産の時期と重なって出席できなかったのですが、ちょくちょく島根からここのブログを覗いてくれています。
あれからも何度も突然の雨には遭いましたが、中学生になってコンビニでビニール傘を買うことを覚えてからは、私が祖父に傘を持ってきてもらうことはなくなりました。 

交通渋滞になったり、髪型が思い通りにならなかったり、革製品が痛んだり、大人の世界にはとかく困ることの多い雨の日に楽しい思い出が作れてしまうのは、子供の特権なのかもしれませんね。 
遠い昔の思い出にぼんやり浸りながら運転していると、前方にあの頃の私のように両手を広げて上を向いたまま、のろのろ歩く息子と彼の友達が見えました。 よくみると口を開けて舌まで出してる! 乗っけていこうと一瞬速度を緩めたけれど、考え直して片手を挙げただけで通り過ぎたのにも、彼らは気づいてないようでしたが…

どうせもうびしょ濡れなんだし。  

今しか楽しめないかもしれない雨の日なんだし。^^
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by 4x4T | 2005-12-09 12:00 | 今日の出来事
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