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Once upon a time

きっかけ

夫との結婚を決めた時、結婚のきっかけは?という質問をよく受けました。

「私が学校から帰ったらね、仕事だったはずの彼が廊下で待ってたの。 
正式に付き合い始めてから1年位してからかなぁ。。。 あー来てたのvって、ドアを開けて先にアパートに中に入って、振り向いたら結婚しようねって指輪をくれたよ。」

私は決まってそう答えました。 それは夫も同様で、上記の話をそのまま英語にして実家に戻った時に友達に話したりしてました。

でも本当は違うんです。(笑)  
いや、話したことは本当にあったことだけど、本物のプロポーズというか、要するに私たちが初めて結婚を意識した「きっかけ」というものはもっとずっと前にありました。 ただそれが聞き手がガッカリするくらい些細なことだということと、なんだか照れてしまうからということで、秘密というよりは今まで言いそびれてしまっていたのかもしれません。


これからずっと一緒にやっていこうっていう、結婚のプロポーズは未来の約束です。 
「プロポーズのきっかけは?」なんて聞かれるけど、誰にもわからない未来の約束事に踏み切る理由なんて、そんなにハッキリとしたものが普通はあるものなのでしょうか。 
例えば「価値観が似ているのに気づいた時」なんて一見現実的に聞こえるけど、そんなものは一瞬のうちに変わってしまうかもしれません。 

英語ではカップルの片方をBetter Halfなんていう言い方があるくらい、カップルになった相手と「ひとつになった」として結婚を神秘的に捉えたりします。 
決めた相手と実は生まれたときから繋がっていた運命の赤い糸なんて目に見えない力を信じる人もいます。 
結婚を今の社会での合理的な生活習慣の一例として考える私は、結婚相手に出会うまでの自分が「半分」だなんて一度も思ったことはないし、赤い糸はロマンチックだとは思っても信じていないのかもしれません。
長く生活を共にしてきた夫との関係も、「理想のタイプは?」「夫!」とか、「尊敬する人は?」「夫!」とか、即返できるようなものでもないと思います。 たぶんそれはお互いにw  
パートナーを崇拝するわけではなくて、気の合う相手とお互い刺激し合いながら、そしてあわよくば、たまには欠点をフォローし合いながら成長していければ、、、くらいの気持ちで私たち夫婦は今までのほほんと生きてしまっています。  役割分担は機能的だし、苦しい時に助け合う気はあっても、夫が自分でできることを私がわざわざやって、それで幸せを感じたりはできません。 
お互いの全貌を見失うほどの至近距離でただお互いだけを見つめ合うよりも、少し離れて様子を見ながらなんとなく同じ方角に歩いていくというスタンスをいつからか選んでいました。

そういう結婚観の一番先端部分にある「きっかけ」という部分に私が少しこだわってしまったのは、やっぱり周りの影響を受けていたのでしょうか。



ずいぶん昔になりましたが、あの雨上がりの夜にアパートまで送ってもらった時、一緒にずっといたいな~ これって結婚したいってことかな~なんて、ちょっと思っていたような気がします。 
登りかけたポーチの段でふと立ち止まって振り返ると、まだ車の中から私を見送っていた笑顔の瞳がありました。
何だかうれしくなって、車の屋根の向こうのまだ濡れた道路に一旦目を移してからもう一度彼の目を見た時、「結婚しよっか」と思わず口に出して言ってしまいました。

言っちゃった。  (言っちゃったこと)後悔してももう遅い。 

「へ?」という顔をして助手席側の窓に近づけた夫の顔に向かってもう一度言いました。

「結婚しよっかって言ったの!」

何の冗談かと私の表情をうかがってから、夫は案外あっさり「オッケ」と笑って言いました。 
本当に?と念を押しかけて思い直し、笑顔のままクルッと彼の車に背を向けて、ポーチの階段をそのまま飛び越し、ドアのところで寝ていた酔っ払いのおじいさんの上も飛び越えて猛ダッシュで階段を駆け上がって2階の部屋に入り、ベッドに飛び込んで枕の下で「きゃーー!」と叫んだような記憶があります(笑) 

あの頃の私の気持ちはわりにまっすぐで偽りはなかったけれど、その代わり綿密に計算された将来設計もありませんでした。
その後冷静になってから、あーあ、もう電話かからなかったらどうしよう…なんて落ち込んだりして、最後にはいつものように面倒なことは全部忘れてベッドの上で日記を書きました。 
書いたというか、、、描きました(笑) 
この日のことはよく覚えているのに日記にあるのは1ページいっぱいのでかいハートがひとつだけ(^^;  大学卒業して、NYに行って、バリバリ仕事して、お金貯めて、旅行して…なんて計画はその日はすっかり忘れて、ひしゃげたハートを鉛筆で塗りつぶしながら当たり前のようにこれからの幸せいっぱいの2人の人生を思い描いたりしてました。(ああ懐かしいw) 

親しい友人に離婚した人はたくさんいます。 抱えている問題ももちろん様々で、離婚したことが結果的にはその「賭け」に勝ったのだと豪語する頼もしい友人もいます。 
親権をめぐって今も元パートナーと泥沼の渦中にいる友人も、結婚を決めた当時のことは懐かしそうに話していました。
人の気持ちなんて量れるものではないけれど、当時心に決めた相手に出会った頃の彼女たちと、この頃の私たちと、何か違いはあったのだろうかと考えることがこれまでも何度もありました。 

離婚をしていない私たちの方が彼女たちよりも「できた」人間なのか。 
それとも私たちの方が結婚生活を送っていく上でもっとたくさん努力したのか? 
彼女たちには愛情が足りなかったのか?

そういうことを考えた時行きつく先はいつも同じです。 

結婚は、運。 

「運命」とか、そんな大それたものじゃなくって、サイコロを転がして6が出るか2が出るか、くらいの「運」。 
1人以上の人間がかかわって初めて成り立つ結婚に、自分がどれほどの努力をつぎ込んだかどうかなんて、あまり関係のないことのように私には思えるのです。 一人相撲でよい結果が出た話は聞いたことがありません。 サイコロは、2が出るときはどうしたって2が出るのです。 また6が出たからといって、それがその人のそれまでの努力の賜物だとは一概にいえません。


そして、いろいろ問題が多いといわれる国際結婚に踏み切った私に周りが期待した、結婚を決めた大きなきっかけはというと。

雨上がりの春の匂いに酔ったせいか、それともその日観た映画(アダムスファミリー)のせいだったか…w 

「結婚しよっか」って言ってしまった私の「賭け」が全てにおいて勝ったか負けたかなんて、死ぬ時になってみないとわかりません。 
ただ、あの日の私の気持ちは昨日のことのように鮮明で、今でもよく覚えています。

結婚に限らずですが、何かをする「きっかけ」とか「理由」って本人の気持ち次第で、その重要性について第三者が納得する必要なないんだよな~なんて、思い出させてくれることが年末はちょっと続いてましたよ。
by 4x4T | 2006-01-06 08:43 | 独り言
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