夜明けに見た夢
今朝は夢を見て、目覚ましにセットした時間よりもずい分早く目が覚めました。
普段だったらそのまま寝返りをうって、またすぐ寝てしまうんだけど。 夢から覚めてしまった後も、胸が締め付けられるような余韻が残って目はさえる一方だし、2度寝は諦めて、朝の支度にかかったのです。 そして、今日はその夢に出てきた人物との思い出が頭に浮かんでは消え、浮かんでは消え、はァー...なんとも落ち着かない一日でした。 その人物というのは、私がこちらで過ごした高校時代の、一番最後に「お付き合い」した彼でした。 留学した1年目の時、学年が1つ上だった人気者の彼とは共通の友人を通して面識はあったものの、一度も直接話したことはありませんでした。 2年目に私が同じ学校に戻った時は友達の家に居候させてもらっていたのですが、たまたまその友達の幼馴染だった、その頃には卒業して地元の専門学校に通うことになっていた彼と再会し、急に親しくなりました。 この年頃の男の子にしては大人びていて優しい彼に、私は何となく淡い恋心のようなものを抱いていたのですが、向こうに彼女がいたり私にも彼ができたり、なかなかタイミングが合うことはなく、何ヶ月も兄妹のような関係が続きました。 ある時、付き合っていた彼と別れて腐っていた私を、もっと前に彼女と別れてしまった彼が遊園地に誘ってくれました。 「いいねー 行こう行こう!」とはしゃぐ私の友達を制して、 「だーめ。 今回は僕がななを慰めるためなんだから、2人で行くの。 皆で行くのはまた今度な。」 そう言う彼の言葉に私はすっかりデート気分♪でした。(←自分の破局はもうすっかり忘れてるw) 友達からも、彼は絶対ななのことが好きなんだよ~と煽られて、遊園地に行く当日は有頂天でおしゃれしました。 彼は遊園地でもとっても優しくて、帰る頃には私はもう彼にメロメロ(早っw) 絶対ゲットしてやる!と思ったかどうか覚えてないけど(笑)、そんな勢いで、なんとか公認の恋人同士になるチャンスをうかがっていました。 私の期待に反して(w)そのまま何事もなく楽しい一日は終わっての帰り道、車の中でふざけてじゃれあっているうちに思いついて、彼の手を握ってみました。 彼は急に話すのを止めて静かになったけど、手を握り返してくれて、顔もニコニコしたまま。 やた! って感じで、それから家に着くまでのあいだ、ずっと手を繋いでいました。 途中で道を間違えたりして、家に辿り着いたのは午前1時過ぎでした。(私にはシンデレラ門限があったんですが、信頼できる彼と一緒のときは門限ナシでオッケーだったのデス) 皆寝ているし、このまま上がってもらうわけにも行きません。 でもそのまま別れてしまうのが名残惜しくて、ドライブウェイに車を停めたままで話をしているうちに、助手席の私は大胆にも運転席の彼まで身を乗り出して、キスしてみました。 ふっふっふ これでいただき☆ と思ったかどうかは内緒(笑) でも、彼もきっと私のことが好きなんだろうという自信が少しはあったので、そのまま熱烈なキスをしました。 ああ、なーんて楽しかった青春時代w 長いなが~いキスが終わって、「明日電話するよ」とか、当然言われるのを予想していたわけですが、私の手を握って顔を覗き込み、彼が口にした言葉はこんな感じ。 「ななのことはずい分前から気になっていたけど、いずれ日本に帰ってしまうんだよね。 このまま付き合って、もっとななのことを好きになって、それで別れなくちゃいけないのは辛すぎる。 だから、このまま仲のいい友達としてずっと付き合っていきたいんだ。」 orz なにそれ? もしかして私今、やんわり断られちゃった?(TT) 期待しすぎてた分ショックも大きかったけれど、プライドだけは山より高い私は健気にも、「そうね、私もそれがいいと思うわ。 じゃ、今日はありがとう」と返してその日は終わってしまいました。 それからも何も変わりなく、彼は深夜のバイトを終えて、家まで帰る途中にある私の居候先の友達の家に暇さえあれば顔を出しました。 ママパパも自分たちの知らない男の子が訪ねてくる(当時付き合ってた子とか)時間には制限があるのに彼だけは特別で、ノーメイクでパジャマ姿の私と友達と、彼の3人でTVを観たり、馬鹿話をしたりの毎日が、翌年の夏までずっと続きました。 卒業式も無事に終わってしばらくして、翌日はいよいよ私が日本に発つ日、という時。 居候させてもらってた家族と学校の友人の何人かと一緒に早朝6時に空港に向かう予定でした。 朝が早いということで皆がいつもより早く寝た頃、寝付けない私がスーツケースのチェックをしていると友達が怪訝な面持ちで部屋に入ってきました。 「ショーンの車が外に停めてあるんだけど、彼は中に入ってきた?」 外に出ると彼は車の中で寝ていました。 窓をコンコンとすると、ビックリしてガバっと起きて慌てて車から出てきました。 「明日早く出るんでしょ。 寝坊して置いていかれると困るから今日はここで寝てるから、明日起こしてね」 私がそれを友達家のママに言うと、そんな馬鹿なこと言ってないで家に入って寝なさい、ということになりました。(当たり前だけどねw) 彼の家族とはご近所さんで昔からの顔見知りだったんですよね。 彼も無事リビングのソファに納まり、また皆ゾロゾロとそれぞれの寝室に戻ったので、私も階下の自室にもどって中断されていた荷造りをしていると、彼がノックもせずに部屋に入ってきて、床にゴロっと横になって大げさにため息をつきます。 「寝ないのー?」 いつまでたってもいなくなる様子がないので、夜中に男の子を部屋に入れるのは禁止になっている私は気が気じゃありません。 「。。。日本に帰ったら、もうこっちには来ないの?」やっと上半身を起こして訊いてきました。 「いや、1年働いてお金貯めたら、こっちの大学行くのにまた戻ってくるよ。 アパートに住みたいんだけど、見つかるまではたぶんここでお世話になるよ」 「1年?...その後本当に、絶対帰ってくる?」 「いや、本当に絶対って。。。^^; 一応そういう予定で話はついてるんだけどね。」 「Baby, I'm gonna miss you so much…」甘えた声で彼はそう言って、ハグするように両腕を広げました。 芝居がかったその仕草から、おどけているだけかと思ってハグされたら、意外と長いハグでドキドキ。 彼の気持ちはすごく嬉しいけど、今頃こんななら半年くらい付き合えたんじゃん(==)という気持ちの方が大きくて、私としては、なんだかなー...な夜が静かに更けていきました。 日本に帰ってから1週間もすると、毎回「I miss you!」で始まる彼からの手紙がときどき届くようになりました。 ラブレターのはずなんだけど内容は大したことなくて(笑)、その日にあったこととかがただ淡々と書いてある手紙はなんだか素朴な彼らしくて、いつも最後は2重のアンダーラインで「Love you」と閉めた手紙を開けるのは楽しみでしたが、もともと無精なのと、久しぶりの日本での新しい生活にいそがしくなった私が彼に返事を書いたのはほんの数回程度でした。 ちょうど1年経った頃、私は再び懐かしい友達家族に迎えられ、1年前と同じ空港に立っていました。 空港から家に向かう道中に、「ショーンはバイトでどうしても(空港に)来れなかったけど、すっごく楽しみにしてるのよ」とママに意味深に言われて、そういえば、彼から大分前に手紙をもらってから、そのままになっていたことを思い出して、ちょっとドキドキしました。 バイト先の彼から電話がかかり、もうすぐ上がるからどこにもいかないで待っててと言われていたにもかかわらず、ちょっとだけ^^と友達と別の友人宅に顔を出してから帰ってみると、ショーンはもう来ていました。 ドアを開けるなり、感動の余り(?)泣きそうな顔でハグされてちょっと照れた。w 彼は相変わらず誠実で頼りがいのあるナイスガイで、私のアパートが決まった時も、バイトを休んでまで荷物運びを手伝ってくれたり、車を買うのも助けてもらったり、時にはあま~いデートもしちゃったりしながら、自然とお付き合いが始まりました。 子供の頃からの彼を知っている、いろいろ口うるさい(本当の両親みたいなのw)友達ママとパパからも評価が高くって、その昔、ドライブウェイの車の中で見事に敗れた私の思いがやっと叶ったかのような公認カップルになりました。 いつかはこんな人と結婚できたらな~なんて考えるくらいに私の彼に対する思いも大きく強くなっていた頃、私のアパートでいつものようにまったりと雑誌なんかみながら(テレビないんでw)他愛もない話をしている時に、スーツの話になりました。 「僕はスーツを着なくちゃいけない仕事だけは絶対したくないなー。 Tシャツとジーパンでもできる高収入の仕事を探さなくっちゃ」 「スーツかっこいいよぉ。 私が東京で付き合ったヒトはね...」 何気なく私がここまで言った時、彼の表情が急に硬くなって、唇に力が入りました。 「日本で誰かと付き合ってたんだ...?」(You were seeing someone in Japan) 「付き合ったって、こっちにすぐに戻る予定だったし、別に大したアレじゃないけど。 そりゃだって1年もいたしね。 だって、アナタだってそれくらいの誰かはいたでしょ?」 彼の顔がみるみるゆがんで耳まで赤くなり、あごが震えています。 怒ってるんだ。 「僕はななを待ってたんだよ」 そんな約束した覚えないし、第一私が勇気を出して自分の気持ちを行動に移したときは拒否したくせに、なんで何もかも上手くいってる今になって、済んでしまった日本でのことでこんなに怒るのか理解できなくて、私もカッとしてしまいました。 (*一般的にコレを{逆ギレ}といいますw) 「『待ってた』とか、恩着せがましく言わないでよ! 誰もそんなこと頼んでないし、私だってアナタから頼まれた覚えもないからね。 なんでそんなに怒ってるの?!」 彼は意外にも男泣きしながら、 「頼まれて待ってたんじゃない! 待ちたいから待ってたのに。 ななだって、僕を好きじゃないんなら待たなくてもよかったけど、ずっと好きでいてくれたとばっかり思ってたから『浮気』されたのがショックなんじゃないか! 『浮気』してたのに、どうしてずっと今まで平気な顔していられるんだよ!」 (*一般的にコレを{修羅場}といいますw) 「何で泣くの? 被害者ぶるのやめてよね。 浮気はね、付き合ってる人同士じゃないとできないのよ! アンタもうつまんないから帰りなよ!」 バーンとドアが閉まって彼は行ってしまいました。 そして、2度とアパートに来ることも、彼から電話がかかることもありませんでした。 高校時代から初めて、半年以上も続いた彼との恋愛は、この日に呆気なく終わってしまいました。 その後共通の友達とのパーティで偶然顔を合わせても、彼は私を露骨に無視。w 一瞬でも私と目が遭うとそっぽを向く彼の横顔は強張って、もう2人の関係の修復の望みはないことを物語っていました。 それから私もいろいろと恋愛もして、やっと人並みに傷ついたり、そこから人の気持ちも少しは考えることを学んだりして、時間はどんどん過ぎてゆきました。 夫と知り合って婚約した頃、仲良しの高校時代の友達から、彼が私も知っている高校時代の知り合いと結婚したことを知りました。 クリクリの栗毛のちびっこくてかわいい子だったな、確か。 私と違って大人しそうな彼女と彼が一緒にいるところを想像すると、正直、心がチクっとしたかな。 彼は私のこと覚えているかな? 「浮気した女」(...凹。)とかっていうんじゃなくって、楽しいこともいっぱいあったもんね。 専門大学を卒業してから結婚した後、ルイジアナにある大きな大学に編入して、卒業後もそのままルイジアナで就職して暮らしているらしい。 それからまたずい分立ってから、彼に赤ちゃんが生まれて父親の住む実家に里帰りした際に、私の居候先だった友達宅にも顔を出して昔話に花を咲かせたようで、ななの3人目は双子だったのよ! これで彼女は4人の子持ちよ!と暴露されたらしい...余計なことを。(==;) 「私の話なんかして、嫌がってたんじゃない?」 ちょっと寂しい気持ちで覚悟して聞くと、 「ううん。 『ぎゃー!信じらんねー!!』ってひっくり返って笑ってたわよ」 彼も大人になっているのねー。。。あたりまえか。w 今朝みた夢で覚えているのは、記憶に残るデートの断片と、あの日のアパートで声を詰まらせながら私を責めた、彼の赤くなった顔と蒼い瞳。 泣くまいと歪んだ彼の顔を初めて見て、ちょと怖くて悲しかった、あの時の気持ち。 あ、テレビでルイジアナのハリケーン被害の映像を観てたから思い出したのか。。。 元気で、幸せでいてくれたらいいんだけど。
by 4x4T
| 2005-09-03 08:35
| 今日の出来事
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